濵ちゃんの足跡

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13.カラーLCD

すぐにiモード2号機。私は、当時より3年前にSH社の研究所を見学させてもらう機会があった。そのときに見つけたのがカラーLCD。このとき20mAも流れていて、だれもこれが携帯電話に搭載できるようになるとは考えていなかった。携帯電話に搭載するためには500μA程度にならないといけないからである。ちなみに、iモード初号機のモノクロLCDは550μAである。私は、これは使えると直感した。1.5mA以下になったら搭載できると考えた。それを明確にSH社に伝え、開発目標にしてもらった。同時にE社も開発していた。両社の開発競争は激烈を極めた。1年目に3分の1の6mAになった。2年目に2mAになった。そして3年目には両社とも、とうとう500μAを切って400μA以下となった。これで使える。

ところが、そうは簡単に行かない。商品として搭載するためには、明るさが足らない。彩度もコントラストももっともっと上げる必要がある。納期の半年前になっても、3ヶ月前になっても、まだ改良が続く。技術も頑張った。品質部門も頑張った。メーカーにでかけて徹底的に議論する。明度と彩度のトレードオフ。最後は、全体の開発競争から言えば僅かなことであるが、温度特性に差がついた。E社のものの方が品質的に安定し、iモード2号機にはこれを採用した。それまでに、ショーなどでカラーLCDの携帯電話は発表されていたが、商用機としては、世界ではじめて。売れに売れた。この機種だけで250万台を超えた。SH社のLCDは半年間さらに改良し次期種に搭載することを決めた。

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