濵ちゃんの足跡

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51.仮想空間

「セカンドライフ」という言葉を聴いたことがあると思います。一般にはリタイヤした人たちの第二の人生を言いますが、もうひとつ意味があります。それが、ここでいう「仮想空間」のとですが、これが凄いのです。

この「仮想空間」というのは、インターネットの世界で、リンデンラボ社という米国の会社が提供しているものです。本当に仮想なんですが、そこには現実の社会とそっくりの仮想社会が存在するのです。土地や建物、商品などをリンデンドルという仮想貨幣で売買したり、自分の化身(アバター)を送り込んで、店員とほんものと同じように話をさせたり、その自分の化身の服装も好きなように着せ替えしたりできるのです。ここまでは、なんとなく人生ゲームとかマネージメントゲームのようですが、なんとこの仮想空間に現実社会の大手企業のトヨタ、日産、富士通、野村、三越など、名だたる企業が出店しているのです。

ややこしいのは、この仮想空間の仮想貨幣リンデンドルを、1ドルあたり270リンデンドルで実貨幣に交換できるのです。つまり、貨幣価値という線で、仮想空間と現実空間がつながってしまっているのです。こうなると、仮想空間で行われている売買は実空間の売買と同様の価値を持つことになります。つまりビジネスそのものであると言えます。この仮想空間に参加している人は現在950万人で、日本人も50万人います。仮想空間の土地はすでに東京23区よりも広がっており、なんとその実ビジネス規模も1兆2500億円にもなっているというのです。

思い出して下さい。もともと物そのものに価値があって物々交換が成立し、物の代わりになる貨幣が考え出され、とうとう物理的には只の紙切れなのに、為替という方法で貨幣そのものさえ売買がなされるようになり、物理的な物でなくても価値をもつように社会が進化してきています。また、切手などを例にすると判りやすいと思いますが、僅か80円の切手がほしい人たちのオークションに掛かると一気に3万円の値段がついたりすることがあります。仮想空間の中であっても、同じことが起こります。皆がほしい場所の土地は高騰します。こうなると実物があるとかないとかという問題はなくなります。

本当にビジネスになるのか、現行法律で対応できるのか、未整備・未成熟な(仮想)社会でどんな問題が起こるのか、いろいろ心配事はあると思いますが、まったく新しい概念ですし、ビジネスチャンスが転がっているかもしれません。とにかく研究してみる価値はあると思います。若手中心に一度議論してみたいと思いますので、勉強しておいて下さい。

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