濵ちゃんの足跡

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88.元西武ライオンズ 石毛宏典氏の話(その2)

清原を例にして話したが、変な社会になってきていると思う。野球で少しでも変えられないかと考えている。自由と我儘は違う。初期段階においては人間形成のために何かを強制的にやらせる期間が必要だと思っている。中途半端なやつほど文句をいう。イチローや松井がどれだけ練習しているか。石毛は野球を楽しんだことはない。仕事は8割以上苦しいものだ。一流ほどプレッシャーとかスランプを口にしない。苦しんで苦しんで脱出できることを知っているからだ。今の若者は苦しむこともしないで直ぐに離職する。

大人が責任を果たしていない。若者を育成していない。若者は何か言ってほしいとか、叱ってほしいと思っているときがある。それを大人や上司が知らんぷりをしている。言わなければならないとき、叱らないといけないときに何もしないから舐められる。

四国リーグを立上げ、来年関西リーグを創設する。石毛ならプロ球界で食っていけるのに何故とよく言われる。石毛は野球で人間にしてもらった。その野球界に見返りを求めないで何が返せるかいつも考えている。それは「愛」だ。郷土愛、祖国愛に似ている。野球愛だ。

石毛、そんなこと無理だよ、できっこないよと言われる。王さんは優勝という目標を変えなかった。リーダはそんな外乱に負けてはいけない。リーダは自分の目標を、自分の情熱を公言して実現しないといけない。有言実行だ。その夢を成就するためには、それに協賛する同士を集めることが一番大切だ。

結果が大事な時代になっている。それは分かる。でも、やっぱりプロセスが大事だ。誰かが見ている。プロセスも評価される。プロセスが自分の人間形成そのものだからだ。すぐ数値化しようとする。でも、グローバル(地球視的)とか武士道とか、数値化できないものが大事にされているではないか。アナログも大事だということだ。

いつも若者を何とかしたい。野球を通じて何とかしたいと思っている。野球人が経済を作っていくということがあってもいいのではないか。野球人が地域活性化の主役になってもいいのではないか。野球で育ててもらった大人としての恩返しをしたい。

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