濵ちゃんの足跡

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89.直近の話と未来の話

まず、直近の話です。S商品を某顧客に売込む打合せをしました。何故、某顧客かというと、その顧客は大量に石油を消費するので元油価格の暴落で今年度の予算が相当余りそうだというのです。その余った予算がどこにいくか、どこに使われるか、ということを考えると、S商品購入の可能性も十分あるのではないかと。世の中は金融市場の乱高下で市場が相当冷込むという予想ですが、いろいろ探してみると、石油の暴落や急激な円高の中にあっても、逆にお金(予算)のあるところがあるのです。通り一遍の見方ではなく、表からみたり、裏からみたりすると、案外、攻めどころがあるという話です。販売方法の変更で増益の携帯電話キャリア、5万円パソコンの出荷増で儲かっている部品メーカーなど、不景気の中でも利益を出している会社があります。顧客のターゲットをフレキシブルに考える必要があります。

全く話は変わって、現在殆どの人が気づいていなくて、将来、問題になりそうな話があります。今日、インターネットをアクセスしない日はないというほど、インターネットに依存していますが、このインターネットに将来解決できないほどの大きな問題が内在しています。

一般に、インターネットなどの通信経路のネックは、どのくらいの容量があるか、速さはどうかなど土管の性能が問題になることが多いのですが、将来、あらゆるものにネットワーク・アドレスが入ってくると、それに合わせてインターネットを構成するルータやサーバーの数が膨大になり、通信経路が極めて複雑なものになります。これを経路表というのですが、10年前には5万径路しかなかったものが、現在では25万径路になっており、現状技術でぎりぎり何とか遅延なしで径路決定がなされているという事実があります。これが、10年度には100万径路を超えて、一気に1000万径路になると、どんな高性能CPUを持ってきても間に合わなくなるという計算があります。こうなると径路管理不能になって、インターネットが今のように動かなくなります。きっと新しい通信技術の登場で解決できると思いますが、このように現状では当たり前のことが、案外大きな問題を内在していていることがあります。逆に、その解決策が新しいビジネスを生み出すことになるとも言えるでしょう。

仕事を進める上で、日々のオペレーション、直近の話、将来の話、それぞれ時間タイミングは違いますが、いつもこれらを同時に平行して考えながら、きちんと成果を出していく、そんなやり方が必要だと思います。

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