濵ちゃんの足跡

前のページ 次のページ 目次へ戻る

101.奈良の薬師寺(1)

昨日、奈良の薬師寺にお参りしてきました。晩秋というか、初冬というか、観光の時期から外れていて、人はまばらで、ゆっくり参拝することができました。

奈良薬師寺の中で、最も古い建物は「東塔」(とうとうと読みます)です。1300年前に建てられました。六重塔に見えますが三重塔です。大屋根の下に飾り屋根が付いているので六重に見えますが、正しくは三重塔です。

日本の中には京都の東寺の五重塔(実は、これが日本で一番高い)など、たくさんの塔があります。これらの塔は、もともと卒塔婆、塔婆、塔と変化したもので、仏陀の骨や髪、聖遺物をまつるための建造物だそうです。奈良の薬師寺の三重塔は高さが38mあります。てっぺんの輪っ子とふさふさした角のようなものだけでも10mもあります。

てっぺんの輪っ子の意味を知っていますか。実は輪っ子は9つあります。9つというのは数字の中で一番大きいということで無限を意味しているとのことでした。9つの輪っ子の上にあるふさふさしたものは、水を模しているそうです。木造建築で一番こわいのは火災ですから、その火災から塔を守るという意味だそうです。実際には東西南北に高さ1.9mの4枚のプレートから成り、それぞれのプレートに6人の天女が掘り込んであって、合計で24人の天女が塔を見守っているとの話でした。天の羽衣で分かるように、仏教では天使ではなく天女なのですね。

この東塔と対を成している「西塔」(さいとうと読みます)は、最近再建されたもので、非常に彩色豊かに仕上がっています。同様に、荒廃していた「金堂」や「講堂」も再建されており、「回廊」も新しくなっていて、本当に最新の素晴らしいお寺でした。一般にお寺は古びて落ち着いた雰囲気ですが、きっと飛鳥時代にできあがったばかりの薬師寺はこうだったでしょうから、現代において、それを観させてもらっていることになる訳です。

前のページ 次のページ 目次へ戻る