濵ちゃんの足跡

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132.和食のマナー

和食にもマナーがあります。一番大切なことは、なんと言っても、一緒に食事をしている人たちに不快な思いをさせないことですから、明るい雰囲気で、適度に会話を弾ませ、気持ちよく食事を進めるようにしなければいけません。

そのためには、まず、醤油やおつゆなどをぽたぽたこぼしたりしないこと。服装や頭髪などを含めて不潔な感じを与えてはいけません。そして、程よい速さで食べること、お客様と同じペースで食べること。どちらかというと私はこれが苦手です。どうしても話をしすぎて食べなくなるので、気がつくと自分の周りだけ料理がいっぱい残っているのです。気をつけないといけません。

和食の場合の鉄則は、熱いものは熱いうちに食べる、冷たいものは冷たいうちに食べると言うことですから、お吸い物や蒸し物がでたら、そのタイミングで食べることが大事です。冷たくなってから食べたのでは、料理した人の思いが伝わらなくなるからです。

お吸い物ついでですが、お椀の蓋がとれないときに、横から押しながらお椀を変形させて開ける人がいますが、絶対にやってはいけません。ちゃんとした木製の塗りのお椀なら壊れてしまうからです。開かない場合は仲居さんを呼んであけてもらうのがいいと思います。

そして和食の場合は、絶対にお椀や皿を重ねてはいけません。蓋もそうです。非常に高価なものであることがあるからです。

お酒は、注ぐときも、受けるときも両手で行います。左手で注いだり、受けたりしてはいけません。利き腕が左だとどうしても左手で注いだりしてしまいますので、両手でするくせをつけておくことが大事です。そうすれば問題が発生することはありません。

ビール、白ワイン、冷酒は注ぎ足ししてはいけません。冷えたものを喉越し良く飲みたいからです。常温のワインは継ぎ足しても構いませんが、赤ワインを欧州の常温の16~17℃くらいに冷やして出しているところもありますので、その場合は継ぎ足してはいけません。微妙な温度を楽しんでいるからです。

難しいですが、箸使いも覚えてほしいものです。

どれから食べようかな?という感じの「迷い箸」はいけません。箸を舐める「ねぶり箸」もよくありません。茶碗の上におく「渡り箸」も駄目です。ついついやってしまいますが、箸でお椀や皿を動かしてはいけません。箸は、きちんと箸置きにおいて下さい。

箸置きにおいた箸の取り方は分っていますか。取るときは、右手で上からとって、左手で下から支えながら右手で正しく持ちます。逆に箸を置くときは、左手で下から支えながら、右手で上からとって、箸置きに静かにれきます。慣れれば簡単なことですから、是非、覚えて下さい。

くちゃくちゃと音を立てないとか、食べ刺しを残さないとか、いろいろありますが、冒頭で言ったように、一緒にいる人に不快な感じを与えないということが最上位概念ですから、分らないことがあったら、ここに戻れば、どうすればよいか判断できます。

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