濵ちゃんの足跡

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167.スマートグリッド

スマートグリッドとは、その名のとおり「賢い電力網」のことです。

昨今、地球環境保護の観点でCO2排出量の削減が大きな課題になっており、石油や石炭などの化石燃料の消費を削減する取組みが全世界的に行われています。いわゆる火力発電はこの化石燃料を大量に消費する方式ですので、これに替わる発電システムとして自然エネルギー発電の拡大が進められています。この自然エネルギー発電には、風力発電、太陽光発電、波動力発電、地熱発電などがありますが、最近では、アモルファスシリコンに加えて薄膜方式などで大きなパネルが比較的安価に作れるようになったことから、太陽光発電に注目が集まっています。

ところが、この自然エネルギー発電は一般に小規模発電で、この小規模発電は遠くに送電できないという問題があります。原子力発電所や水力発電所などの大規模発電所では、電圧を数万ボルトまで昇圧して、できるだけ抵抗の影響を小さくして送電していますが、小規模発電ではそれができません。送電線の抵抗をまともに受けて、下手をすると全部熱になって消えてしまうことになります。小規模発電の場合は発電した場所とできるだけ近いところで消費するような仕掛けが必要になります。このことがスマートグリッドの一番の必要理由です。

つぎに売電の問題があります。小規模発電の電力のうち余剰電力を電力会社が買い取ることが義務つけられています。これを売電といいますが、先ほど述べたように、電力会社が買い取った電力は近くに売らないと消滅してしまいますので、ここにも賢い電力網、スマートグリッドが必要になります。

また、売買するなら、できるだけ価格の高いときに売りたいということになりますので、その価格情報をリアルタイムに次世代情報システムから得ることになります。自宅の電気自動車のバッテリーを蓄電池として自動的に売買するシステムなどが考えられています。

実証実験プラントの最初はT社が受注した宮古島でのマイクログリッドシステムで始まります。スマートグリッドの原理的なプラントです。M電機はこれを失注しましたので、自前で1MW級の実証プラントを立ち上げて、宮古島より早く、部分的にでも稼働を死守する計画です。その第一弾がI地区です。M大阪支店のもので約3kWですからその300倍、M電機の南地区のほとんどの屋根に、合計38個の太陽光パネルがつくことになります。宮古島プラントのシステム検討をしていたことが役に立ちました

M電機の実証プラントは、I地区のあと、W地区、K地区にも設置され、そして商用化に突入しますので、今回、この関係に入れたということは、今後がたいへん期待できます。

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