濵ちゃんの足跡

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188.震災に思うこと(2)

「自分の想定の範囲を広げる」という反省があります。

高さ10mの津波を想定した防潮堤を作った町があります。こんなにしっかりした世界一の防潮提があるのだから大丈夫、最近の津波は大きな地震があっても30cmとか50cmの高さで今回もたいしたことはないとタカを括っていたところがあります。ところが10m超の津波がいっぺんに防潮提を超えて市街地に流れ込み、大被害になりました。高さ10mの津波という想定が崩れてしまったわけです。

下名は横浜と川崎の中間の鶴見小野でこの地震に遭いました。5分間くらい揺れていたと思います。しっかりした建物の2階にいましたので、神戸震災の経験からこの程度の揺れなら大丈夫と判断し、そのまま仕事を続けました。津波という発想がまったくありませんでした。海から近いところに居たわけですから、すぐに津波ということが頭に浮かばないといけなかったのですが、それができませんでした。2階の高さではあぶなかったかもしれません。普段から、いろんなことを想定し、かつその想定の範囲を認識すると同時に、その想定の範囲を超えた場合まで広げて考えておく癖をつける必要を痛感しています。

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