濵ちゃんの足跡

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202.何故,SOCが儲からないか(2)(一橋大中屋特任教授との議論)

(2)ASCPとASSP

・ASCP

Application Specific Custom Products、特定顧客向けのSOCである。例えば、ゲーム用、TV用、オーディオ用、カメラ用のSOCがある。これらの商品は、メーカー間競争が激しく、業界標準の共通プラットフォームにはならない。セットメーカと半導体メーカーが1:1で作る。複数のメーカーが集まってのコンセプト作りがいらない。

・マイコン

PCに使われる汎用CPUとは異なる。たくさんの用途毎にチューニングされた小規模から中規模のマイコン。この分野の日本は強い。ASCPの中に使われるネジ・釘になっているからだ

・電子部品

村社やTD社の電子コンポーネントは世界シェアを圧倒している。ロ社のTrやDi、小規模の専用ICも強い。これもネジ・釘の位置づけだからである。

・ASSP

Application Specific Standard Products。業界標準のチップやプラットフォーム。前述のGシリーズはこの部類に入るが、日本市場に限られた。世界市場でみたときの業界標準。これがボリュームを確保し、結果として利益を生む。このASSPは必ずしも参加メーカーの合意で作られるものではない。強力なスペックリーダによって作られる。スペックリーダには技術的なバックグランドとともにカリスマ性が要求される。自己主張が要求される。個性的なリーダーシップが要求される。

この章のまとめ

日本人は特定顧客向けのASCPを得意とする。またコミュニケーションを不要とする電子コンポーネントやデバイスを得意とする。反面、業界標準となり得るASSPを苦手とする。特に世界市場に通用するASSPのコンセプトつくりを最も苦手とする。

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