濵ちゃんの足跡

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203.何故,SOCが儲からないか(3)(一橋大中屋特任教授との議論)

(3)ブランド化するコンセプト

・イ社チップ

世の中に1チップCPUが登場して久しい。1940年代の後半にコンピュータが出現して以来、メインフレーム、パソコン、スーパーコン、1チップCPU、何になってもノイマン型のアーキテクチャを脱皮できないでいる。通信と大きく違うところである。こうなると先行者が有利である。イ社チップがブランド化した。AMDは永久にセカンドソースであり続けるしかない。

・シーケンサ

Programmable Logic ControllerのことをM電機呼称ではシーケンサという。製造現場向けの専用コントローラである。OSなどという気のきいたものはない。リレー制御の置換えと思えばよい。複雑な手順がないから、電源が落ちても、スイッチをいれるだけで復帰する。環境の苛酷な現場に徹底的に耐えるように設計されている。モジュール化されてスケーラブルにできている。CC-linkという通信方式も独特である。堂々たる業界の標準になった。キーエンスは後追いしかできない。

この章のまとめ

一見複雑なものでもアーキテクチャの進化が限定的になると寡占化が進む。トップにあるものが優位で、それがむしろ加速する。追従メーカーの逆転は極めて難しい。KビールとAビールの逆転のように、革新的な商品の出現が条件となる。

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