濵ちゃんの足跡

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207.何故,SOCが儲からないか(7)(一橋大中屋特任教授との議論)

(7)教育の問題

・歴史観

ふるさとの出雲から多数の銅剣や銅鐸が出土した。出雲古代博物館に行ってみるとよい。こんな精巧なものが千数百年前に作られたことに感心する。古代出雲大社は16丈、48mの高さがあったという。柱の跡が発見された。直系1m超の3本の異なった太さの木材を束ねている。さしたる道具もない時代に作っている。5世紀から15世紀の間にたくさんの文書が残されている。古事記、日本書紀、万葉集、古今和歌集、出雲風土記、太平記、源氏物語、枕草子、数え上げたらきりがない。関某の和算は世界のだれよりも進化していた。こんな誇りある日本史を丁寧に学ぶ必要がある。

・近代史

明治以降においても、日本人は誇りをもっていた。少数の民族ながら、世界から甘く見られないようにものすごく気を使っていた。そして急成長した。それが気にいらない欧米列国は何かと日本にアンフェアな難題をふっかけた。それが一連の戦争につながった。帝国主義で世界を我が物にしようとしたわけではない。

・企業活動の変化

1990年のバブルは1940年生まれの世代が招いたことを述べた。下名は1949年生まれ。失われた10年の2000年時点のマネージャである。1990年は海外での政策を誤った。あまりにも海外進出を急ぎすぎた。兵站が伴わなかった日本陸軍と重なる。それでも海外にでかけなければ市場がなかった。下名の年代。中途半端に日本市場で企業活動ができるようになっていた。無理をしてリスクを犯して海外に出ていく必要はない。周りは足を引っ張る奴ばかり。少しの失敗を鬼の首を取ったかのように騒ぎ立てる。多勢に無勢。海外で戦う戦意は失われる。

・女性を働かすな

女性が企業活動の戦力になって半世紀が経つ。女性が社会に進出して自由度が増えた。お金を得るようになって更に自由度が増した。自由になるとどうなるか。迷いがでる。大草原にポツンとおかれた少女の如く。どちらに行ったらよいか分からない。考え込む。時間が経つ。一昔前は親が決めた相手と結婚し、子供をもうけた。迷いがなかったとは言わないが、許容されるものだった。今はどうか。だれも世話をしない。必然、迷う。どんな男を選んでよいか分からない。晩婚になる。子供を産まない。生涯未婚率が増える。

・人口が増えても失業は増えない

下名は団塊の世代である。入学しても、就職しても、人・人・人であった。ところがひもじい思いをしたことがない。人口増は消費を産む。経済が活性化する。車がほしい。家がほしい。家電も必要になる。ずっと経済を押し上げた。

この章のまとめ

日本人は、日本を知り、日本文化の素晴らしさを再認識する必要がある。日本の中に原点がある。日本経済復活の起点がある。

(8)全体のまとめ

最近の若い人が海外に出たがらない。人口が減少すれば、マンションや家は余ってくる。食料もそう。若い人が戦うことを忘れた。その根本原因は戦後教育にある。大ナタをふるって日本国を改革しないと日本民族の存在感はなくなる。自己を主張する力がないと、コンセプトメーキングはできない。言葉の問題ではない。基本的に競争する力、争う力、民族を守る責任感が日本を救う。政治も同じ。SOCの低迷に限ったことではない。それは氷山の一角である。

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