濵ちゃんの足跡

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208.営業品質

品質には、製品品質、保守・サービス品質、設計品質、開発品質などがありますが、営業にも「営業品質」があります。

最近、某社向けの入退場システムがトラぶりました。他社で実現しているものと同じ性能が得られているので「OK」ということで検収していただきましたが、入場車の渋滞が発生し、大きなクレームになりました。原因は、入場車の運転手がタグのかざし方を探していて、時間が掛かっていたからです。慣れの問題だとして2週間様子をみて、事実渋滞はなくなったのですが、お客様は製品に問題があるのではと納得されず、アンテナの追加や調整、結果の確認に2ヶ月も要してしまいました。本来やらなくてもよい改造です。

この案件は、営業をM電機が行い、システム基本設計もM電機が行っています。これを営外で受注し、システムを作って納入したものですが、この案件で何が問題だったかというと、お客様とM電機の間で完成時の姿が共有されていないということです。当然、当社とお客様の間でも完成時の姿が共有できていません。ですから、納入するものと受取るものの見解が違ってしまったのです。説明が不十分だったかもしれません。

常々、営業はお客様とのインターフェイスを決める仕事だと定義し、話しています。値段、納期、数量、品質をきっちり決めないといけないのはもちろんですが、中でも、納入する仕様を明確にすることが一番大事です。仕様には明示的に数値化できるものと、定性的に言葉でしか表せないものがあります。特に定性的なものについては、完成時の姿をしっかりお客様とコミュニケーションをとって握り合うことが必要です。

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