濵ちゃんの足跡

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209.地震と原発、環境問題の真実(1)(武田邦彦)

武田邦彦 中部大学教授(総合工学研)。43年生。66年東大卒、旭化成。93年より芝浦工大教授。02年より名古屋大教授。07年より現職。内閣府原子力委員会専門委員。同安全委員会専門委員。文科省科学技術審議会専門委員など。著書多数。

(1)地震と原発

・原発関係者は腐敗している。

某(西山)審議官の不倫はその象徴。娘は東電にいる。原発の研究開発費と地元交付金は半端ではない。苦労しないお金は本来の目的を忘れさせ、徐々に腐敗を加速する。

・日本の原発は壊れる。

日本の原発は耐震度4~5で設計されている。東日本の原発34基は全部震度6で壊れた。青森の東通原発は震度4で壊れた。ここで言う「壊れた」とは、部分的にどこかが物理的に壊れ、短期間でも発電できなくなったことをいう。西日本の25基も同じ。今まで地震に会っていないだけ。福島原発は津波で壊れたわけではない。地震の段階ですでに壊れていた。

・想定外はウソ。

福島原発は津波の高さ5.7mで設計されている。東電が設定した。だれも根拠になるデータをもっていないので反論できない。安全委員会でちょっと低いのではと言っても、少数意見。想定外というのは、東電の責任を回避するための言い訳。東電だけでなく、政府もマスコミも分かっていて使っている。発表されていることは必ずしも正しくない。

・原発の中身は空。

原発の冷却システムがとまったとき、専門家はすぐに水素爆発まで予測した。原発は非常に理論的でそのとおりになった。実はそのときに内部の放射能は殆ど撒き散らされてしまっている。その量は広島の原爆の100倍に相当する。全体規模は1000倍。まだ900倍分残っている。現状、空っぽの原発をいじっているのは再臨界させないためであるが、あまり意味のない工程表である。

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