濵ちゃんの足跡

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218.情熱(Passion)

さて、「情熱」とは何でしょうか。英語を上手に話せるようになりたいとか、ゴルフを上手くなりたいとかいうのは、単なる望みです。このレベルは情熱とは言いません。「情熱」とは、今年度中にTOEIC800点以上とるとか、ゴルフのスコアは80を切るとか具体的な目標を持って「絶対にやり切る」というもっともっと強い気持ちのものを言います。

「情熱」について理解できるいい言葉があります。

「部下と能力の優劣を比較するな。情熱の大小を比較せよ」です。あいつは何にも分かっていない、おれの方が良く知っていると偉ぶっている上司がいます。甚だしい勘違いだということです。例えば担当している部のミッションについて考えてみると、そのミッションを絶対に実現してやるという強い気持ちは、部下の誰よりも、その部を任せられている部長が一番強く持っていなければなりません。なぜなら能力の不足は研究所に依頼するとか、専門家を雇うとか、外注を使うとか、代替手段がありますが、情熱の不足は補うことができないからです。考えて見て下さい。ベンチャーは情熱の塊です。もちろん技術に裏づけされた情熱です。彼らと対等以付き合うためには、彼らベンチャーを超える情熱を示さないと、彼らはついてきません。離れて行きます。

下名の例を少し話してみたいと思います。

下名は、生産技術の担当を約10年担当しており、まあ簡単にいうと相当威張っていました。鼻持ちならなかったでしょう。81年にいきなり通信部門のLSI設計部隊立上よという命が下りました。僅か3人でスタートしましたが、歯を食いしばって頑張って、20チーム、毎年50品種ぐらい開発できる部隊に仕立てあげました。そうこうしているうちに、今度は93年に携帯電話開発に従事することになりました。PDCの開発に失敗していて、その立て直しからスタートしました。やり直しPDC、GSM、PHS、iモード、Moem、FOMAの1号機の開発責任者を担当し、いろいろありましたが、すべて開発完了に漕ぎ着けています。何としても完成させてやろう、携帯電話事業を全社に認められるものにするという強い意志と最先端技術に触れることができる楽しみで、やり遂げたという充実感があります。

今日の課題として、黒字化は必至です。全員が絶対に黒字化するという強い意志で取り組めば、必ず実現します。もっともっと情熱を高めて、誰よりも強い意志で、全社に貢献しましょう。

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