濵ちゃんの足跡

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閑話休題(25)紫綬褒章

今朝の新聞を見て驚きました。春の褒章の欄を何気なくみていると、そこに、前職の仲間の名前があったからです。それもなんと全国で30名しかいない紫綬褒章の受章でした。

そもそも褒章についてですが、褒章(勲章と違う)には以下の5種類があります。ちなみに、人数は今春の授章者数です。

・紫綬褒章: 30人 :芸術文化・スポーツ・発明研究に特段の功績があった人

・藍綬褒章:462人 :公共の利益に貢献のあった人

・黄綬褒章:219人 :永年に亙ってひとつの仕事に打ち込んだ人

・緑綬褒章:22人+15団体:ボランティア活動

・紅綬褒章: 5人+ 2団体:人命救助

その紫綬褒章ですが、今回は、寺尾総さんの親子授章(父君は宇野重吉さん)とか、桃井かおりさんとか著名人が授章されています。その中での仲間は「発明・研究」の分野での授章で、授章対象は「すばる=直径8mの光学望遠鏡」の完成だと思います。これにはたくさんの発明と研究成果があり、その光学望遠鏡「すばる」が数々の成果を上げていることに対するお褒め(=褒章)だと思います。

ハワイに設置されている「すばる」は130億光年もの遠い星を観測しました。ビッグバーンで宇宙ができたのが136億年前と言われていますので、人類は宇宙が始まってから僅か6億年経過した段階を観測できるようになったのです。また「暗黒星雲」・「暗黒物質」というものを見つけました。光では観測できないけれども、何か物質がある。そう考えないと、全宇宙の質量が計算できない。そんな画期的な発見もしています。

この「すばる」の実現に最大の難関は直径8mの反射鏡の製作でした。歪まないようにしようとするとガラスが厚くなり重量的に実現不可能でした。彼らはこれを克服するために、薄いガラスの反射鏡で実現する方法を考え出しました。自重で発生する歪みを、約400本のアクチュエータでミクロン単位の制御をしています。最近では、これに画像技術で大気のゆらぎを補正することによって、130億光年もの遠い星が観測できるようになっているのです。

きちんと真正面から問題を捉え、解決していく姿勢は見習えると思います。我々に近いところの人の授章を喜ぶとともに、そういう姿勢を学びたいと思います。

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