濵ちゃんの足跡

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閑話休題(33)ビートたけし著「達人に訊け」より

・虫の達人 奥本大三郎 僕らはみんな虫なんだ

・宇宙の達人 毛利 衛 宇宙人はきっといる

・麻雀の達人 櫻井 章一 「勝つ」って虚しいことです

・字幕の達人 戸田奈津子 名セリフは直訳では生まれない

・数学の達人 藤原 正彦 数学者は美しいのがお好き

・日本語の達人 北原 保雄 言葉は多数決なんです

・寄生虫の達人 藤田 紘一郎 不潔だから健康なんだ

・香りの達人 中村 祥二 女性は香りで男を選ぶ

・競馬の達人 岡部 幸雄 超一流馬の見分け方、教えます

・金型プレスの達人 岡野 雅行 真似できないものを作れなきゃ

「達人」、みんな本当に運のいい人たちだな。この「運」という言葉は「究極の努力」と言い換えてもいい。今の時代、何をやっていいのか分からない人や、自分の仕事の面白さに気づかないで終わってしまう人がたくさんいるのに、この人たちは、自分が本当に好きなことを見つけて、なおかつその楽しさを発見できた。だから徹夜なんかいくらしたって平気で、とことん夢中になれる。そういう自分の天職に気づく、本当に運のあった人たちだね。

おいらも達人かって? おいらはダメだ。いろんなことに次から次へと手を出すから、「趣味人」でしかない。まだ遊びの域をでていないんだ。本当にやりたいことをやるためには、まず目の前の長いハシゴを上らないといけないね。運のない人は、その努力を惜しむんだ。だから、やりたいことがあるなら、まずそのやりたいハシゴに届く位置まで、とにかく一所懸命に上るしかない。

「達人」に会うのは、勉強になるし、いいなあって思う。余計なことに煩わせられず、好きなことをやって家族まで養える、うらやましい人たちだよ。いつの時代でもこういう人になりたいと思う。好きでずっと続けているうちに達人になった人、苦労の末に達人になった人、いろいろなタイプがいたけれど、でも、その仕事が好きだということと、苦労してもやめない、っていうところは共通してた。

それにしても、みんなよくしゃべったね。自分の好きなことだから、いくらでも話せるんだろうけど、おいらより、よくしゃべるんだから、やっぱり「達人」はすごいよ。

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