濵ちゃんの足跡

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働かざる者食うべからず

生前、母が口癖のように言っていた。働かないことを嫌った。手伝いをさせるための口実だったかもしれない。女工哀史の時代。生糸工場の職長をやっていたらしい。母が巡回すると眠気が覚めると。相当きつかったのではないか。母のチームは半年以上トップの成績を続けた。副賞に鏡台を貰ったと自慢してた。勤労が当たり前になった。

毎年11月、氏神様の須美禰神社で豊作神事の秋祭りがある。集落で1軒だけ農作業が終わっていない。秋は日が短い。初冬は雪の心配もある。皆ずいぶん早くに終えている。それを引合いに出しながらも勤労を説く。

私はそろばんが上手くない。自分がが読み上げをしてやらなかったせいだと母が反省していた。学業のことは格別言わなかった。当たり前のことにはうるさかった。

勤労は義務でもなんでもない。当然のことである。濱村

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