濵ちゃんの足跡

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農耕モデルと狩猟モデル(1)

ケータイは、80年代のアナログ、90年代のPDC、00年代の3G、そして今はLTE時代である。通信方式は確実に10年毎に変わってきた。そのための基礎研究から始まって、徐々に技術を確立し、各通信方式を10年以上の歳月をかけて実用化してきた。短距離無線の進化と合わせると今や有線を凌ぐ勢いである。投資期間が長くて、額が大きい。

ケータイを商品化し他社製品を差別化するための要素技術の開発は5年掛かる。例えば、カラーLEDが出る前のモノクロLEDは0.5mAで駆動できていたのに対し、256色のLEDは当初25mA、次の年に12mA、5mA、2.5mA、1.5mAになって、商用機への搭載を決めた。それからは進化の競争である。顔にモアレ縞が出なくなる26万色以上のLEDが実現されると開発スピードが落ち着く。小型カメラも同じだった。10万画素からはじまって、他社を出し抜いた商品が売れた。今は2000万画素の競争になっている。

もう分かってもらえると思うが、通信方式も商品化技術も同じレールの上の競争であり、路線を決めて、他社より先行した商品が勝つに決まっていた。完全な繰り返しの「農耕モデル」である。

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