濵ちゃんの足跡

前のページ 次のページ 目次へ戻る

出雲大社と知恵

12世紀まで16丈=48mの高さがあった。奈良の東大寺よりも高かった。3本の柱を束ねたものが9ヵ所に立てられて土台となる。宮司家に絵図が伝承されていた。数年前に束ねた柱の根元が発掘されて真実となった。

古代の人たちに、そんな高いものが建てられるはずがないという意見がある。大林組の研究所がなぞを解いた。古代の人たちの知恵を2つ紹介する。

直径2m近い柱3本をどうやって縛るか。出雲神話にヤマタノオロチ伝説がある。退治すると尾から剣がでてくる。この地方では昔から砂鉄がとれる。たたら製鉄がある。柱に合わせて3つの鉄の帯を作る。その両端には長四角の窓が開けてある。この3つの帯を柱に合わせて、重なった窓に、三角形の楔を打ち込む。3ヵ所同時に打ち込むと、楔が入るごとに少しずつ締まっていく。手作りだから全部現物合わせである。

うまく縛ることができても、立てるときに変な荷重がかかると、楔が抜けてバラバラになる。柱自体が重すぎる。大林組の研究者が感心していた。

穴を掘って、片側を斜めに傾斜をつける。対向する面に百日紅(さるすべり)などの生木の杭を打ち込む。3本の柱の一部が生杭にあたる。原理的には点接触だ。これを滑車を使って、そろそろと立ち上げると、生杭の皮が剥がれて、ズルッと滑って、ストンと立った。ストレスはなく、縛った金具が全然抜けていなかった。濱村

前のページ 次のページ 目次へ戻る