濵ちゃんの足跡

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設計と検査

検査は、形のあるものが所定の仕様を満たしているかどうかを調べる。無形のS/Wもできあがった形がある。もちろん、検査技術もあって、いかにして効率的に調べるか日々進歩している。また、その結果をみるために、統計的な手法やビジブル化が発達しいる。パーフェクトに設計したものでも、材料や部品のばらつき、製造スキルなどによって規格外が発生する。検査は必要悪であって、なくならない。

一方、設計には形がない。基本的にゼロから出発する。要求環境で要求仕様を満たすのは当然である。該当する法令にも合格していなければならない。使用シーンを想像してさらに余裕を持たせようとする。一番のポイントは、99点は許されず、必ず100点満点でなければならない。このぐらいでまあいいかという人は設計者になれない。設計者には全責任がある。照査した人にも、承認した人にも責任は及ばない。

ケータイでは、部品や製造のばらつきを最大限吸収する方法として、性能を自動的に測定しながら動作点を探って、それをメモリに格納し、電源を立ち上げたときにその機種で一番いい動作点で動き始める方法を採用していた。ケータイには個別にカルテが付いていて、1台ずつ全部動作点が違っていた。修理のときも、これを守っていた。

設計者は全責任をもってパーフェクトを保証する。その上で、コストも設計の早さも競う。設計の生産性は個人で大きくばらつく。濱村

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