濵ちゃんの足跡

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2.特別講座1(人間の資質)

今から話すことには、教科書はありません。私はこう思ってやっているということを話します。

でも、それは単なる思い付きではなく、たくさんの読書と実践の中で構築したものですから、それなりの意味はあります。

ここでは、人間の資質について議論します。イメージ的には、トップマネージャの資質は地球や野球のボールのように何層もの層になっていると考えています。

人間の中心は「健康な体と健全な精神」ですが、それを取り巻く資質の中心になるものが核で、一番大事なもの、「どんな場面でも変えてはいけないもの」、それが「心がけ」だと思っています。なぜかというと、心がけは誰にも影響されず、自分だけに言い聞かせていれば、自分さえその気になれば、守ることができるからです。

人それぞれにいろんな心がけがありますが、会社の長として心がけないといけないものは、

・孤独に耐えること

・がまんすること

・フェアであること

の3つだと思っています。

会社のトップは孤独です。最終的に自分で決めないといけないのですから、人に言えない苦しい場面が続きます。それでも絶対に投げ出すことはできません。周りに理解者を持つことは有用ですが、それでも意見を貰うだけで、やっぱり最後の決断は自分でしないといけないし、その責任も取らないといけません。どこまで行っても孤独です。眠れない日が続いても、その重圧に絶えねばなりません。孤独に耐えること、よほど自分に言い聞かせていないと続けることはできません。

がまんすることというのは分かるはずです。物事は全て思いどおりには行かないと考えるべきです。人は千差万別、考えることは、全部違います。100点をとってくれる人はいません。それにいちいち文句言っていたら、人はついてきません。人は発言しなくなります。全部飲み込むしかありません。石川啄木のいう腹膨るる思いでも、がまんしないといけません。物事には陽と陰があり、メリットとデメリットがあります。ところが、それは場面によって、見方によって、逆転します。だから一面的な見方で、見てはいけません。陰もデメリットもどうやったら活用できるかを考える必要があります。例えば、細かいことをぶつぶついう人は面倒くさいことが多いですが、不良品をチェックする部門とか、クレームの中にどんな問題があるかを分析させると思わぬ効果があることがあります。欠点だと思えることを長所に使う。がまんすること、これも徹底的に自分に言い聞かせていないとできません。

フェアであること。これもよく分かると思いますが、できそうでなかなかできません。これは、甲斐の国の将武田信玄の言葉「甲陽軍鑑」に書いてあります。自分ではフェアだと思っても、自分ではフェアにしていても、周りはそう見てくれないことが多々あります。なぜかというと相手の立場に立って考えてみると、フェアでないことが多いからです。相手の立場でフェアかどうか考えていないからです。いつも相手の立場からみてもフェアかどうかを意識して考えたり、行動したりする必要があります。

ここでは、孤独、がまん、フェアを取り上げました。

皆さんは、なにを核(コア)と考えていますか?心がけていますか?

特別講座1(人間の資質)

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