濵ちゃんの足跡

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21.特別講座4(数字に強くなる)

機種別のP/Lを作るという話をしたことがあります。

携帯電話をビジネスにしていたことのことです。それまでは、いわゆるどんぶり勘定でした。多くの機種を市場に投入しても、最後に締めてみなければ、いくら儲かっているか分かりませんでした。どんぶり勘定ですから、機種ごとの損益はわかりません。ましてや開発段階では想定もしていませんでした。

機種リーダを決めました。商品企画をしている部門には、その機種の値付けはいくらで、何台売れるか、いくら売れることを前提として企画しているかを明確にすることを要求しました。どれだけの部材を仕込んだらいいかを決めるためです。

こういう条件が整うと、開発すべき内容に対して投入する技術者の人数が決まりますし、保守台数が決まります。その延長として、機種別のP/Lが計算できることになります。企画台数に対して開発アイテムが多すぎるとか、みえてきます。

商品企画部門には文句を言いませんでした。企画台数が絶対だからです。企画台数が売れなかったら、もちろんペケです。企画台数以上売れてもペケです。なぜなら材料を手配していないからです。売れすぎた機種は、市場任せですから、どれだけ売れるか予測が難しくなります。もう少し売れるだろうという欲もでてきて、部材を多めに買ってしまい、売れ残って、たくさん売れたのに赤字になってしまったという結果になりがちでした。

機種ごとにP/Lが計算できると責任がはっきりします。9人いた機種リーダが競うようになります。台数で競います。企画台数の少ない機種を担当した機種リーダは、利益で競おうとします。

開発段階で、想定P/Lを計算し、そこに問題が潜んでないか、数字から徹底的に問題点を探り出します。材料比率は適切か。特許問題はないか。試作台数は無駄がないか。商品企画、開発、製造、保守、営業、管理、すべての部門がP/Lを読み取ります。

受企画段階で十分に議論しておくことで、結果の比較は容易です。機種ごとに反省して、次機種に活かすのです。

特別講座4(数字に強くなる)

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