濵ちゃんの足跡

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98.プロの仕事

「レッド・クリフ partⅠ」

紀元前200年頃の三国志の話です。曹操80万の大軍に対して劉備軍がどう戦うか。Part1は壮絶な陸戦の話です。劉備軍の軍師は賢い人の代名詞になっている諸葛孔明です。諸葛孔明はその名声のとおり、孫権を口説いて同盟軍を編成しますが、それでも柳眉軍と孫権軍合わせて5万。この人数的に圧倒的に不利な状況下でも、あっと驚く秘策を講じて圧勝します。秘策の中身は観てのお楽しみですから詳細は話さないことにします。Part2は、戦場ががらりと変わって海戦です。大スペクタルが展開されますので、封切が待ち遠しいところです。

「まぼろしの邪馬台国」

島原鉄道の2代目社長宮崎康平が社長業を捨てて、邪馬台国(=卑弥呼の墓)探しを行う話です。宮崎康平は地元の名士ですが、盲目で、女房に逃げられ、生活にも困窮する始末ですが、後に妻となる和子の協力と盲人特有の極めて鋭い感性で、邪馬台国にどんどん迫り、その成果を本に著して行きます。康平の目の変わりになって康平を助ける夫婦愛が見ものですが、宮崎康平という人は、「島原の子守歌」を作った実在の人でもあります。

「容疑者Xの献身」、東野圭吾原作の直木賞小説の映画化です。物理学者でもある湯川教授の探偵物語ですが、大学の同級生であった数学の天才石神が作った隣人の殺人事件のアリバイ工作を崩していくところが見ものですが、最後のどんでん返しが非常に面白く、なるほどと得心のいく推理が楽しめます。これも最後のどんでん返しが見物ですから、ここでは話しません。

今回の一連の映画では、俳優さんたちのの多才さに、つくづく感心しました。「レッド・クリフ」の諸葛孔明は金城武が演じていますが、彼は、もともと台湾人であるとは言え、日本語と中国語を駆使して、役にはまり切っています。「まぼろしの邪馬台国」の宮崎康平役の竹中直人は盲目の変人を見事に演じていますが、他の映画では監督も行っています。和子は吉永小百合ですが、平凡な事務員から妖艶な卑弥呼まで、いろんな美しさを演じ分けて見せます。「容疑者Xの献身」の石神役の堤真一は、従来のかっこいい役柄とは180度違う数学の天才でありながら風采の上がらない高校教師を最後まで演じ切っています。圧巻は湯川教授役の福山雅治です。役者としてはもちろんですが、挿入歌の作詞・作曲は当然としても、この映画全体の音楽監督もしているのです。

何が言いたいかというと、「プロはプロの努力をしている」ということです。いくら多才でも何もしないで初めから能力がある訳ではありません。竹中直人の例で言えば、パントマイムのお笑いから出発して、シリアスな演技に挑戦し、そして映画監督としても成功している訳ですから、非常に広範囲に要求される能力を一歩一歩確実にステップアップしていることが分かります。我々も「営業のプロ」ですから、彼らを見習って、現状に安住せず、対応できる商品を増やすとか、コミュニケーション手段を磨くとか、努力に努力を重ねて、他社に勝てる営業マンになりましょう。

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