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164.映画「RAILWAYS」
堅い話が続きましたので、久しぶりに映画の話をします。
「RAILWAYS」を観てきました。大企業のエリートが49歳になってから、電車の運転士になる話です。
その主人公を中井貴一が演じています。この人は、大企業の専務直結の経営企画室長で、将来の役員を嘱望されている超エリートです。工場のリストラなど寝食を忘れて仕事漬けになっている超会社人間です。
そういう状況ですから、家族も相当の犠牲を強いられています。奥さんは自分の夢であったハーブティの店を始めますし、娘はだらだらと学生生活を送るし、まあ、家族バラバラで、よくみる、身につまされる風景が展開されます。
ところが、この主人公の田舎で一人暮らししているおばあちゃんの病気でこれが一変します。介護の必要が生じたのです。このとき子供の頃からの夢であった「ばた電の運転手になる」ことを思い出して、これに挑戦します。49歳にして入社面接を受け、運転手の実習をこなし、試験に合格して、運転手になります。
転職の問題、介護の問題、夫婦の問題、子供との距離感の問題、職場安全の問題、同僚の問題などが克明に織り込まれていて、なかなか秀逸な映画に仕上がっています。誰でもどこかで心に響くものがあると思います。是非、皆さんも観てほしいと思います。
もちろん、電車ファンにとってはたまらない魅力があるといいますが、バックグランドが出雲-松江で、下名の生まれたところの景色や、方言、人の温かさなどもよく表現されていることも、実はお薦めの一因でもあります。おばあちゃん役の奈良崎朋子の話し言葉がまるで私の母が話しているようでした。
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