濵ちゃんの足跡

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178.若手経営者

今回結婚式をあげたのはK君でした。96年の入社で、現在38歳、やや晩婚ですが、このK君が入社してきた頃は携帯電話がぐんぐん伸びた成長期で、彼らも第一希望で携帯電話の開発を志望してきていて、新しい開発に燃えていました。実際に、K君は学部を3年で終えて修士課程に入った、いわゆる飛び級組で非常に優秀でしたので、何でもできる人でしたが、専門はアンテナ設計でした。

ちょうど中国市場を攻めようと考えていたときのことでした。K君は連休を使って自費で中国を旅行してきて、こう言ったのです。「中国は日本と文化が違います。マンションを打ちっぱなしで売っています。内装は、買った人が自分で、材料を選択し、大工を選び、全部自分の好きなようにカスタマイズする習慣になっています。きっと携帯電話も個人でいろいろさわれないと売れないと思いますよ。」欧米や日本向けに画一的に大量生産していた従来の方法に対して、大きな違いを指摘してくれました。こいつはちょっと違う視点をもっているなという感じで受止めました。

そんなK君ですから、M電機ではおさまりませんでした。30歳過ぎには飛び出してしまいました。少しの間他の会社で修行して、3年ほど前に会社を設立し、現在はベンチャー会社の社長をやっています。そのつながりからだと思いますが、列席者には30歳台後半から40歳台前半の若手経営者が多く、10人くらいが代表取締役の肩書きでした。

その中には女性もいましたが、その若手経営者たちが非常に元気でした。今、経営環境がたいへんな時期だと思いますが、横の連繋もよくとれているらしく、絶対に赤字は出さない、生き残るぞ!という強い意志で頑張っているなという感じでした。きっと仕事はきついのだろうと思いますが、疲れたような表情はどこにもなく、元気一杯、はつらつ、ものすごく刺激を受けました。

次に面白かったのが、欧州からのTV電話でのメッセージでした。K君の会社は小さいですがグローバル会社です。ブランチがスェーデンのストックホルムにあります。そこで働いているパートナーは、日本人ですが、結婚式だからといって帰国する余裕はなく、TV電話での参加でした。さらに、婚式当日なのにオランダのアムステルダムに出張していて、近くのホテルに入って、ホットスポットを探し出し、パソコンのTV電話をつないで、幼い頃からの写真をベースにしたアルバム紹介の大スクリーンに、ど~んと入ってきました。さすがにグロ-バルというか、今日的だというか、ちょうとTV中継のように、地球上のどこからでも挨拶ぐらいできるぞという場面に、実際に立ち会うことができて、頭では理解できていても、これもなかなか新鮮な驚きでした。

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