濵ちゃんの足跡

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閑話休題(77)試練は人を磨く(元巨人軍:桑田真澄)

・表裏のバランス

巨人軍21年+MLBパイレーツ2年、計23年間プロで投げてきた。その間の勝利数は173勝。2歳から野球を始め、現在43歳。今後も野球に関わっていくと思う。

プロの世界は超競争社会。ちょっとの油断でふるい落とされる。その中でも、常に一つのことに集中するのではなく、表裏(2面性)のバランスをとることに注意してきた。例えば、野球と勉学。勉強にも真剣に取り組んだ。結果とプロセス。早稲田大ではお金とビジョンを学んだ。

ひとつのことに集中するのは大事だけれども、その裏も充実させないと厚みがでない。

・試練

プロ野球の世界は、無差別無階級の世界。自身は174センチしかないのに、清原のような190センチ100キロもあるような大男とも勝負しなければならないし、江川さんのような怪物とも競争しなければならない。メディアにもたたかれるし、怪我や手術にも耐えた。

試練というと、つらい、苦しい、悲しいということになるが、逆に考えた。もっと練習しなさい、肉体・精神を鍛錬しなさい、その結果を試合で試しなさいと考えた。いつも部屋の見えるところに貼ってそう考えた。試合で試すということはチャレンジするということ。マウンドに立つとほんとうに怖い。失敗すると笑われる、恥だと思うと動けなくなる。失敗しても次に必ず活かすことができる。挑戦を続けるしかない。

・本物に触れる

何でも本物に触れてみることを心がけている。もう限界だと言われながらもメジャーのマウンドにこだわったのは本物に触れてみるため。メジャーのマウンドはどんな風が吹くか、どんな匂いがするか、どれだけ怖いか、やってみなければわからない。自分は体が小さかった。清原は力の野球をする。それは彼の長所だからだ。自分は頭を使って、総合力で野球をした。自分らしさで勝負しないといけない。

ここで、5人が選ばれて壇上に上る。メジャー時代のグラブ、PL時代・巨人時代・パイレーツ時代のユニフォーム、清原のユニフォームが登場。本物に触り、着てみる。メジャーのユニフォームはごわごわしているとの感想。本物に触れてみることの大事さを壇上で実践。

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