濵ちゃんの足跡

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24.NCCの成功

03年、私が本社に行っている間に、NCC事業が大成功した。プリペイド機が170万台も出荷できたのである。利益も抜いた。海外事業が何とかなっていたら、携帯電話事業は黒字になっていた。

そもそも、この話の発端は超廉価機の提案である。これにNCCの某オペレータが飛びついた。経営陣が変わっていたこともあって、海外では常識的、日本で成功していないプリペイド機としてやろうということになった。

開発は成功した。従来の販路とは別のコンビニでの販売も始めた。オペレータは宣伝をバンバン行った。経営陣が変わったと言っても、日本流の義理人情が利くマネージャであった。安く作るためには大量生産が必要というD社の提案を丸呑みした。約3年分もの台数を1年で納入してしまった。

これを成功とみるかどうか。世間ではプリペイド機が犯罪に使われたこともあって、簡便さはあるが、徐々に冷え込んだ。しかし、トップマネージャは大成功と思った。この認識が後に悲劇を招く。

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