濵ちゃんの足跡

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7.思い込み

先日、たまたま友人と車の運転の仕方について話をしていたときに、サイドブレーキをいつ(どの時点で)リリースするかという議論になり、私は、運転席について、キーを回し、シートベルトを締めてから、ブレーキを踏みながらシフトレバーをドライブモードに入れて、シフトレバーの位置や前後左右を確認してから、最後にサイドブレーキをリリースするというのに対して、友人は、運転席について、キーを回し、シートベルトを締めるところまでは一緒ですが、ブレーキを踏んだところでサイドブレーキをリリースし、そしてシフトレバーをDに入れて発進すると言うのです。

自動車教習所でもそうしていたし、教官からも一度も指摘を受けたことがない、ブレーキを踏んでいるのだから、その時点でサイドブレーキをリリースしても何の問題もないのではないかというのが友人の主張でした。しかしながら、実際には、友人も友人の考え違えで、友人も私と同じ運転の仕方をしていました。

ここで指摘したいことが2つあります。

ひとつは、記憶の曖昧性と束縛性ということです。

毎日運転している、何の疑問も持たずに自然に運転していることなのに、その手順をいったんこうだと頭に叩き込んだら、なかなかその記憶から離れられない、こういうことはよくあることだと思います。言いたいことは、記憶には曖昧性と束縛性があるということです。ですから、是非、忘備録とかメモとか必ず簡単でも記録を残す癖をつけて下さい。これが、重要だと思います。

ふたつめは、原理原則の話です。

先ほどの運転の話に戻りますが、どちらが教科書に合っているかいないかということではなくて、原理原則は何か、つまりひとつ間違えばとんでもないことになる車のことですから、どちらがより安全かという観点から考える必要があるということを指摘したいのです。その視点に立てばすべての準備が完了した時点、発進する直前にサイドブレーキをリリースする方、私の操作法がより安全とすぐ分かるからです。

思い込みというのはいろんな失敗を誘発します。ビジネスを進める上での原理原則は何か、ルーチンワークになっていることでもちょっとチェックしてみる、こういうことが大事ではないかと思うのです。

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