濵ちゃんの足跡

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102.奈良の薬師寺(2)

私が、何故、薬師寺に行きたかったかというと、これらを再建した西岡常一(つねかず)さんという棟梁と、その工法に興味を持っているからです。

西岡棟梁は、NHKのプロジェクトXに出演されたことがありますし、文化功労者でもあります。自身も本を執筆されていますが、たくさん関連する本も出版されています。その中にいわゆるたくさんの西岡語録があります。

・木と話す。

・木は建物の中で、1000年以上も生きている。

・木は生えていた環境どおりに使う。南斜面に生えて木は南に、北には北斜面の木を使う。

・だから、木を買うときは山を買え。

・右に反る木は、左に反る木と組み合わせると歪まなくなって強くなる。

・木組みは人組み。チームワークが寺社を建てる。

・平カンナで削るとささくれる。槍カンナで削ると面がきれいで、風雨に強くなる。

今回参拝して、初めて槍カンナで削った柱や桁をみました。語録の中には、我々が仕事をするときの大きなヒントがたくさんあると思います。大きな仕事を完遂するためには、「適材適所。個人プレーではなくチームプレーで」と日頃から言っていますが、まさにそのとおりのことを言っていると思います。

東塔は来年に解体修理されるそうですから、当分観ることができなくなります。参拝するなら早い方がいいと思います。西岡棟梁の本や、高田好胤館主の話などを下調べして行かれたら、ぐっと面白くなると思います。

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