濵ちゃんの足跡

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122.全体観

石川遼選手が優勝しました。今季2勝目、一躍賞金ランキングのトップです。

遼選手は、15番でしたか、ジョーンズ選手に追いつかれて、上がり3ホールはマッチプレイの様相になりました。非常に厳しい戦いが最終の18番ホールまで続き、その18番ホールは、第1打はお互いに左右のフェアウェイバンカーに入り、2打目は素晴らしいショットで2オン、二人ともバーディチャンスになりました。

少しだけ遠くにオンしたジョーンズ選手からのパットで、惜しくも僅かに外れてパー。いよいよ遼選手のパットでしたが、これがぎりぎりの距離を転がって、カップの横からポロッと入って見事にバーディ。石川遼選手の優勝が決まりました。

試合後のインタビューで、このとき遼選手は、ジョーンズ選手と同じように2パットで終了し、プレーオフになってもいいと考えていたそうです。よくあることですが、このパットを絶対に決めなくてはと思うと、体が堅くなります。遼選手もこのパットを入れて優勝すると意識してしまっていたら、体が堅くなって、入らなかったと思います。直近のことだけでなく、ちょっと先回りして、プレーオフでもよいと思ったことで、気分的に楽になり、その結果、カップインして優勝できたのではと思います。

そして、こんなことも話したそうです。今回の優勝は最後のパッティングが注目されるけど、優勝の原因はそれだけではなく、1個ずつ積み上げたバーディのおかげだと。ちなみに遼選手は4日間のロングホール16回を全部バーディで上がり、貯金したそうです。

緊張するパッティングの段階にあって、次のことを予測する、注目されている優勝の原因の中で、それまでの積上げを勝因にカウントする、17歳であっても、実に全体観を持っているではないですか。それが冷静さを生み出していると思います。

このことは、そのまま仕事に当てはまります。目の前のことに捉われすぎないで、全体観を持って仕事をすることで、ゆとりをもって対処できることは多いと思います。

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